須恵器焼成中

順調に須恵器焼成中。

1400年前当時の窯は、地下深いところにある完全地下式の穴窯(傾斜地に横穴を掘り進めた窯)でした。
窯の上部がアーチ状ではなく、傾斜地の地形そのままだったと思います。
冬場、なだらかな傾斜面はきっとぬくぬくしていたのではないでしょうか。

当時の人たちはどんな風に焚いていたのだろうか、どんな風に焚き手さんは交代していたのだろう。
時計は無かったでしょうから、「日が昇ってきたらぼちぼち交代ね。」「太陽があそこに来たから交代ね。」なんて焚いていたのかもしれない。
夜当番は月明かりと、窯の火の明かりで焚いていたのだろうか、かがり火も焚いていたのかもしれない。
もしかしたら冬場の窯焚きは地面があったかくなるから、子供、家族、集落の人もみんな集まって傾斜地で寝ていたかもしれない。
なんていろいろ想像してしまいます。

寒風古窯跡群から出土した1400年前の須恵器の破片は「物」ですが、当時それを作った人たちがここに居て、その家族があって、集落があって、須恵器を必要とする社会があったのです。
火を見ながら、同じように1400年前に火を見て焚いていた人たちの平和な暮らしを想像してしまいます。

須恵器焼成窯の焼成

近くの池も凍ったまま、寒い日が続いています。
こつこつと作品を窯詰めし、昨年に続き今年も須恵器焼成の窯に火が入りました。
窯詰めを手伝ってくれたSさん、Aさんありがとうございました。
 

1400年前は棚板などありませんでしたから、地面にそのまま作品を置くような形で窯詰めしていたと思います。
今回は細かい作品など様々な作品があり、少し焼成リスクを避けるために棚組をしての窯詰め、古代に習いつつ文明の利器を使用。
 
 

昨年11月に行った円面硯も入り、須恵器に仕上がるのを待ちます。
窯場は24時間営業中、お時間のある方は覗いてくださいね。

植物の声(春)

何もしゃべらない植物たちですが、色や形を変え春を知らせてくれています。

桜は少しピンク色をのぞかせています。あと何日かで満開になるでしょう。

写真では分かりにくいかもしれませんが、
史跡の丘の上にある山桜は満開です。


会館の植物たちも芽吹き始めています。
(アジサイ)(ヤマモモ)


史跡からの古道を案内する看板には鳥が一休み。
窓を開けっぱなしが気持ちよくなるころには、うぐいすの生演奏も聞こえてきます。
お客様に、これはBGMですか?と聞かれることがあります。
玄関脇にはイチゴの苗。もう少しすれば花が咲き実を着けてくれます。
先着順ですので、見つけた方からお口へどうぞ。

「須恵器窯再現・焼成プロジェクト」最終

季節は巡り、春の声が聞こえてくる今日この頃。
このプロジェクトに取り掛かったのは残暑厳しい9月初め。
外の作業をしているとくらくらするような暑さの中、窯づくりを進めてきました。
窯が完成し、窯を乾かし空焚きをし、作品作りを進めて2月初旬に窯詰め。
2月中旬の寒い時期に窯焚きをし、先日窯出しを迎えることが出来ました。

興味を持って協力してくださった皆さんのおかげで、やっとここまで来ました。
窯出しを終え、いくつかの課題を示す結果もあり、当時の人たちも試行錯誤しながら窯焚きに臨んだのでは、
という想像が働く事に。

個人でモノづくりに取り組む事とは少し違った、地域の皆さんと地域の歴史や文化を思いながら取り組んだ今回のプロジェクトの作品展示が今日から始まっています。ぜひ足を運んでご覧いただけたらうれしいです。
展示期間最終日は講演会があります、こちらもよろしくお願いします。

●須恵器窯・窯出し作品展
平成29年3月1日(水)~5日(日) 9:00~17:00

●講演会「地形環境からみた寒風古窯跡群の須恵器生産」
平成29年3月5日(日)10:00~11:30
講師:山本悦世氏(岡山大学埋蔵文化財調査研究センター副センタ―長・教授)

 

 

 

「めざせ3000枚!としょかん寒風タイルプロジェクト」貼り込み作業開始!!

寒波襲来の中、皆さんの思いが詰まった寒風タイルの貼り込み作業が始まりました。
現場監督さんや職人さん、関係者の方々が私達の想いを大切に受け止めながら作業を進めて下さってます!
デコもボコも、あれもこれもが集まって、なんだかとっても良い壁面が出来てます。
タイル一枚一枚に作った方々の顔が浮かびます。
図書館完成時には、楽しみにマイタイルを捜していただきたいと思います。
皆さんの記憶を未来につなげていく壁面が着々と出来上がっています!
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瀬戸内市の魅力を届けに東京へ!

少しづつ寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
11月22、23日に≪岡山せとうちええとこフェア≫というイベントが東京のとっとり・おかやま新橋館で開催されます。
東京で、瀬戸内市の魅力をお伝えできる機会に寒風陶芸会館も参加できるということで、『オリジナルぐい呑みつくり体験』をさせていただきます。これは寒風でとれる土を使っていただいて、2月に寒風備前焼登り窯で焼成します。
お近くのみなさま、ぜひこの機会にご参加ください!!

ちびっこの表現

焼きあがった作品の仕分け中。
なんともたまらん作品があれこれ出ています。
ちびっこの粘土表現は素晴らしい!!
「こうでなくちゃいけない」という縛りのない造形物は、その子から出てくるそのもの。
縛りのない粘土遊びを、大人は見守るだけで十分です。
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期間限定の備前焼体験です!

本日は、瀬戸内市婦人会の皆さんが備前焼体験に参加して下さいました。
にぎやかに楽しく制作が始まり、にぎやかに楽しく手際よく作品が完成!!
さすがベテラン主婦の皆さんです。
12月末まで期間限定で受付している備前焼コースは、来年2月の窯焚き予定。
作品の焼き上がりは来年3月になります。
薪窯で焼かれる備前焼体験の参加お待ちしてまーす!!
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イマジネーション imagination

寒風陶芸会館に並ぶ飛鳥時代の須恵器は、割れたものが多く、その姿をとどめるものは少ないですが、これもここの特徴なのです。良いものは都に運ばれ、失敗品や破損品が多く発見され展示室に並んでいます。
会館近くに広がる古窯跡は、なだらかな丘が広がっていて、そこにゴロゴロと陶片が落ちています。(落ちているといっても、持って帰ってはいけませんよ!)
1400年も前の人が作った物の一部がゴロゴロあるわけです。
史跡については「広がる丘」、展示物については「割れたもの」なのですが、これは逆にイマジネーションをくすぐるものではないかと思います。
今の時代、情報や物があふれすぎていて、イマジネーションを働かせる機会が少なくなっているように感じます。
ぜひ「そんなにあれもこれも無いけど1400年前に人が住み物を作っていた場所」へ遊びに来てはいかがでしょうか。
今月は、近くの小学生や、近くの老人会さんが多く見学に来ていただいています。
ボランティアガイドさんの対応(ガイド要予約)もありますのでご安心ください。
見学無料です、ゆっくりお弁当持参でお越しくださいませ。
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岡山髙島屋「寒風展」終了しました。

寒風作家協議会有志による「寒風展」が、8月11日(火)最終日を迎えました。
髙島屋スタッフの皆様はじめ、たくさんの方々のご協力を得てこのような展示会が開催できました事、感謝いたします。
ご来場いただきました皆様にはこちらの説明に耳を傾けてくださるお客様も多く「寒風」を知っていただく良いきっかけとなり、気持ちの良い時間を過ごさせていただきました。終わってしまうのがさみしくもありますが、また寒風のほうへ足を運んでくださるとうれしいです。
大変お世話になりました、ありがとうございました!!!
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*瀬戸内市牛窓町にある寒風古窯跡群は、歴史的に重要な文化遺産として、1986年に国の史跡に指定され、隣接する場所に寒風陶芸会館が建てられました。現在も寒風陶芸会館周辺では多くの陶芸家が日々作陶に励んでいます。